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従業員の党費を会社が肩代わりすることの適否

Q

当社には複数の子会社があるのですが,今般,その中の一社が,数年前から,管理職従業員が特定の政党に対して個人的に支払うべき党費を会社で肩代わりして負担する取り扱いをしていたことが発覚しました。具体的な支払方法については今後さらに調査を進めていく予定ですが,このような取り扱いは法的に許されるものなのでしょうか。

A

具体的な支払方法はまだ明らかでないとのことですが,仮に子会社が管理職従業員の党費の原資を拠出するだけでなく,その支払事務まで代行しているということであれば,そのような取り扱いは政治資金規正法22条の6第1項に違反するおそれがあります。政治資金規正法では,本人以外の名義で政治活動に関する寄附をすることを禁じているところ,会社による党費の支払は政治資金規正法5条2項により政治活動に関する寄附とみなされますので,会社が従業員の党費を肩代わりして直接支払うことは「本人以外の名義での寄附」にあたる可能性が高いと考えます。
他方で,子会社は党費の支払事務に関与しておらず,管理職従業員に対して何らかの手当等の形式で党費の原資を渡しているにとどまるのであれば,そのような子会社の行為自体は「政治活動に関する寄附」そのものではありませんので,この場合は直接的に政治資金規正法上の問題を生じることはないものと考えられます。もっとも,特定の政党支持者だけを優遇するような取り扱いとなってしまっているのであれば,従業員の信条を理由とする差別的取扱として労働基準法3条違反の問題を生じる可能性は残ります。
いずれにしても,そのような取り扱いが合理的なものであるとは言い難いと思いますので,調査を進めていただいたうえ,早急に是正すべきであると考えます。

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