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  • 人事労務問題

退職後も借り上げ社宅を利用したいとの要望への対応

Q

当社では,福利厚生の一環として,会社名義で住宅を借り上げ,家賃の一部を補助したうえで従業員に社宅として提供しています。
このたび,借上社宅に住んでいる従業員が退職することになりましたが,「退職後も同じ部屋に住み続けたい」と希望しています。
このような場合,会社はその希望を断り,退去を求めることができるのでしょうか。

A

結論から言えば,会社は退職後の継続居住を拒絶して,退去を求めることが可能です。

会社が家賃の一部を負担するなど,使用料が低額な借上社宅は,あくまで雇用関係を前提とした福利厚生制度の一環であり,会社が賃貸人と契約主体となり,従業員を自社の費用と責任で入居させているものです。したがって,退職により雇用関係が終了すれば,社宅の使用関係も同時に終了し,従業員は退去しなければなりません。

判例でも同様の考え方が示されています。最判昭和39年3月10日は,従業員が低廉な使用料で社宅に入居している場合,雇用関係終了とともに社宅明渡義務を負うと判断しました。また,東京地判平成23年3月30日も,社宅の法的性質が賃貸借か使用貸借かを問わず,退職により社宅契約も終了し,退去義務があるとしています。

退職後も居座られると,次に入居させる従業員の確保や住宅管理に支障を来します。

実務的には,

・社宅使用契約書や就業規則に「退職時は退去する」旨を明記しておく
・明渡し遅延時の違約金・損害賠償条項を設けておく
・退職日と同時に明渡しを求めるスケジュールを周知しておく

といった備えが,トラブル防止につながります。

結論として,借上社宅は雇用関係に付随する福利厚生施設であるため,退職後も住み続けたいという希望を会社が拒絶することは十分に可能です。

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