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前賃借人が行うべき原状回復工事を自社の立替えで行う場合の債権保全策

Q

当社が賃借予定の建物の使用開始を早めるため,前賃借人が行うべき原状回復工事を当社が費用立て替えで行い,後日前賃借人から支払を受ける予定ですが,確実に支払を受けられるようにするには,前賃借人との覚書にどのような条項を盛り込むべきですか。

A

支払を確実にするための手段としては,前賃借人から担保を取るということになると思います。
前賃借人がどのような財産を持っているかによりますが,不動産があるなら抵当権,動産や債権があるなら質権や譲渡担保権の設定があり得ますし,めぼしいものがなくても保証人を立てさせるということはできると思います。
また,通常は前賃借人が預け入れている敷金があるはずでしょうから,それを実質的に支払いに代えさせるという方法もあり得ます。賃貸人との協議も必要ですが,原状回復工事代金の支払いに相当する敷金返還請求権の譲渡を受け,賃貸人から直接敷金を支払ってもらうことや,貴社が敷金を預け入れる代わりに前賃借人が差入れていた敷金をそのまま引き継ぐことにすることも考えられると思います。

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